さく内科クリニック 院長コラム
日本では1950年代、ワクチンがなかった時代
→ 毎年15〜30万人がかかり、5000人以上が亡くなっていました。(ほぼすべての子どもがかかる「通過儀礼」のような病気でした)
1978年にワクチンが「1回接種」で定期接種になりましたが、接種率が60%程度と十分でなく、大きな流行は止まりませんでした。2001年にも再び、30万人規模の流行が起きています。
2回接種制度(2006年開始)で、ようやく流行を抑え込むことができました。その後は1年間に数人レベルまで激減しています。
つまり「1回だけ」では足りず、「2回 かつ 95%以上の人の接種」が必要だと実際に経験から学んできたのです。
米国スタンフォード大学の最新研究(JAMA誌掲載2025年4月号)では、
わずかな人数が打つか打たないか。それだけで社会全体の運命が大きく変わるのです。
自分が重症化を防げる
家族,友人,赤ちゃんを守れる
流行そのものを防げる
学校や仕事などの社会生活を守れる
そしてこれは麻疹に限ったことではなく,風疹,ポリオ,ジフテリアなどなど様々な感染症で同じことです。向こう30年はウイルス感染症との闘いになりますが,予防可能な疾患はぜひ予防していきましょう。